言えないので。

過去のおたくが過去に浸っているよ

結局暗い話じゃねえか。

なんか暗い話ばっかしてたから楽しかった話をしよう。

 

本命さんに洋服を、まあまああげてきた。好きなブランドのものとか自分でつくったものとか。稽古着で着てね!みたいなTシャツやパーカーね。ということも最後にしたのは数年前。

 

数年前だ。

1年とか2年とかじゃない範囲の数年前。普通に買った服でも捨ててたりもう着なくなってたりする年数。

 

という前振りからわかりやすいけど、ついこの前の話。舞台中の共演者との写真。その数年前にあげた、私がデザインしてつくったパーカーを着てる本命さんがにっこりエガオで写っている。思わず「何年前の着てんだよ」と口かた出た。いやその通りだ。

 

その数日後に舞台を観に行って終演後に面会したときも着てた。笑った。おいおい。

 

でも、それは何度も言うけど数年前の話で、本命さんが何を思って着てるかなんて「無い」でしかないのだ。数年前なのだから。なにかあるたびにプレゼントというかたちで洋服や小物やいろんなものをもらっている本命さんなので、なにを誰からもらったなんてそんなことを覚えているわけもない。だから着ていたとしても「無」。

 

まあでもそんなことが気になる次元でもなくなったので、ただただ、そんな昔のものまだ着てくれてるんだなーありがとーっていうあたたかい気持ちだった。

 

そんな感じで談笑していて、話は途切れたときにとりあえず茶々入れをしておいた。「ていうかこれ何年前の着てるんですかw」って服をつまみながら。いいね、ちょっとかわいい女子の演出できてるねわたし。あっはっは。はあ。言ったはいいけど反応の予想はしてなかった。見切り発車した。こわ。

 

でもそれに対してね、本命は優秀なのでね、「ええ?」ってとぼけた後に、ふっと笑って「あなたがくれたものですよ」って言いました。

 

昼ドラーーーーーーーーーー!???

 

とは言ってないけど。ええ?ってこっちのセリフ。でもだいぶ久しぶりにちょっとときめいた!ここ最近ずっと家族みたいな、身内みたいな感じで接してきてしまって。むこうもそんな感じでいるから、一緒にいるときにときめきとかキュンとか、そういうものよりかはそばにいて安心、っていう気持ちが強かった。

 

あと突然「あなた」とかね!本命さんは私を名前で呼んでくれません。というかたぶん近くなりすぎてもう名前で呼ぶことが気まずくなってる。とか思ってたらこの前不意打ちで○○ちゃーんって呼ばれて、意味わかんねーなだった。振り回されてるよ。私は名前で呼ばれたいの。ちゃん付けで頼むよ。呼捨てでもいいよ。

 

まあそれで、え?覚えてるのかよーって動揺してたらそのあとの記憶ない。なんだっけな。まあいつも通り外まで見送ってくれた。

 

今まで何着かあげてきたけど、1着以外は全部着てくれている本命さん。着てくれてない1着はね、よくわからん。なぜそれだけ着ない!?と思うけど、私そのプレだけ手紙もなにも入れずにプレ預けてしまって。誰からのものかわからない状態で出してしまったんだ。そのせいか?送り主不明のものは不安というか…私のものじゃないからってことじゃなくてね。でもあれも似合うと思うから着てほしかったなーまあ仕方ない。

 

もう有名な話(?)だけどバレンタインにあげた服をホワイトデーに着てくれたりするのは、神様のようだ。優しさのかたまりだ。聞いてもいないのに「この前くれたTシャツまだ着てない!」とか言ってくれる。着てくれたってわかるのは、全部写真を載せてくれるから。直接会えないときはいつもそうしてくれる。文字には何も書かれてない、写真を見て私だけがわかるやつ。会えなかったときはそれですごく救われた。本命さんはまじめで、優しい。優しいんだ。

 

私はそれが嬉しい。どれだけ本命が優しくても何も変わらないこの関係なのに、それが嬉しい。本命は何かを考えているわけではないから、何も変わらない。本命は私のことをなんとも思ってないからこそただ単純に純粋に素直に、本音を伝えてくるんだ。優しい言葉を。そのまま。なにも考えてない、少しだけ近くなってしまった関係だから、なにも考えずに包み隠さずに言葉をくれる。それを私は受け取るんだ、世界一しあわせだと思える瞬間がそれなんだ。本命さんがくれる言葉でわたしはずぶずぶと底なし沼に沈んでいくんだ。中身はなにもない。

 

本命がなんとも思っていないからこその言葉をくれるたびに、私は本命を好きになる。

 

生き地獄だ。

 

もっと意地悪な人だったらよかったのに。たまに思う。

やさしさなんてない人だったらよかったのに。そしたらこんなに好きになることはなかったよ。いや、意地悪な人かもしれない。自分が「なんとも思っていません」ということを提示しているうえで私を離さない。私が好きだってことは知ってるでしょ?どんな「好き」だと思われてるかは知らないけど。もっと線を引いてくれればよかった。優しさで私を縛るのはいつまで続くんだ。私から縄を切るなんてできないの知ってるくせに。ひどいな。

 

社交辞令の範囲なら私だってわかる。そうじゃないから、なんで?って聞きたい。聞いたら終わる気がするから言えない。結局わたしもこの立ち位置にしがみついてる。

 

まわりはなんでも言う。どうにかなれるとか、むこうも気があるとか。それでも絶対にこれ以上の線は超えないんだって、そうとしか思わない。私が一番わかってる。彼のことを一番見てきたのは私だから。それだけは言える。

 

だから選べるのは1つだ。

私が切る。それだけ。

でもそれも私はできない。

 

だから死ぬまで地獄。地獄だ。