言えないので。

過去のおたくが過去に浸っているよ

本命を降りようと思った。1回目。

本命を降りようと思ったことがある。2回。

1回目。

好きになって1年経った頃。はえーな。
その頃に推しくん①の熱が加速してしまった。惰性で本命の舞台を全通していた。同時期にやってた推しくんの舞台に行きたいという気持ちが強くなった。我慢できないほどで、結局強行突破で推しくんの舞台もまあ通った。

だからこそ、本命の舞台干しとけばもっと行けたのにとか、この観劇してる時間にも推しくんはなにをしてるだろうか、とか、考えてしまってた。
本当に申し訳ないね今思うと。

そしてわたしは本命さんの舞台千秋楽に「通うのをやめます」という手紙を書いた。

正確に言うと「今みたいに全部通うということはしません」という内容。
くそうざいおたくだっただろうな。

でもこれは、推しくんへの気持ちだけが理由じゃなくて。当時学生だった私は、いずれ就職をして、仕事を始めて、そしたら今までのように全通をすることなんてできなくなるんだ、ということを考えるようになっていた。

そんな現実を生き延びる自信がなかった。

本命に会えなくなる日々が来るとか、全通できなくなるとか、想像しただけで心臓が痛かった。
おおげさに聞こえるかもしれないけどわたしは本命のことになると本当に心臓が痛くなる。無数の針で刺されてるような感覚。胸がざわざわする、もやもやする。冷や汗がすごい。不安や心配でめまいや吐き気がする。生きてく自信ない。

だからはやく慣れておこうと思った。
数年これを続ければ、通えなくなった頃には慣れてるだろっていう考え。

泣きながら手紙を書いた。紙も濡れた。それを出してごめん。でも読んでくれる人だってわかってたから本音を書いた。会えなくなることがどれだけつらいかを伝えたらわたしがどれだけ好きかも伝わると思った。すごいエゴだ。むこうからしたら金づるが消える宣言をしてるんだから、不愉快極まりなかっただろうに。

で、本命は優しかった。
別所で返事をくれた。

わたしはそれを見て泣いた。
あほだった。

全通することが、わたしが応援していると思える最大限だった。し、誰かに劣るのが大嫌いだからこれが支えにもなってたし、純粋に客を持ってる役者だと、本命のまわりの人たちにアピールしたかった。
でもそれはわたしの勝手だったな。

本命は、わたしの人生をわかってくれたうえで、たまに遊びに来てね、という言葉を残してくれた。このときから肩の力が抜けた。

わたしは本命に出会ってからの1年間、必死になって全通してきた。覚えててほしい、という気持ちと、本当に素晴らしい人だと思ったから、まわりにそれを伝えるためと。
でもそんなことをしなくていいんだと思ったらなんか急に楽になった。

結局は自分のことしか考えてないんだ。
会えなくなることがつらいとか、覚えててほしいとか、見ていたいとか、自分のため。本命のためのことなんてひとつもなかった。なのに本命さんはあほみたいに大切にしてくれてた。そんなのうわべだろーとかもちろん思ってけど本当にそう思っててくれたことがわかる今は、夢のようだな。

まあ結局この1年は通い続けて、でもこの1年で全通は終了した。
もう本命さんとは何年も、と言えるぐらいの年数を過ごしてきたけど、全通してたのはたったの2年。ぴったり2年ぐらい。ほんとうに短い時間だったわけですよーびっくり。
翌年からは年に5回会ったかな?レベルになった。というのが3年ぐらい続いたけど、この期間にも好きの大きさが全然変わらなくてびびった。会わなくなったら気持ちなんて薄れるに決まってるだろ。なのにそんなことはなく今日この日までなんにも変わらない。初めて会った日からなんにも変わらない。みんなに対して振りまかれてた優しさや笑顔を、わたしにだけ向けててよ、と思った、小さな小さな独占欲から始まったあの日からなんにも変わらない。叶ってるような叶ってないようなだけど。

めちゃめちゃ話がそれた。けど、結局推しくんが1位になることはないまま今日です。降臨する王者〜〜
2回目はこの3年後。本命より芝居が好きかもしれないと思った俳優と出会ってしまったことからはじまるどちゃくそストーリー。



まあどれだけ降りたかったかって話だとしても、今も本命本命言ってるから、本命は本命のままなんですがねええ